うちの娘たちはお手伝いが好き。
特に「ゆず」は、はりきる。
親が料理をしていれば、「何か手伝う?」と、
エプロンをしながら、台所に来る。
その恰好は、まるで家政婦さんのようで、
さらに、テキパキ動ける。
野菜を切ったり、炒めたり、
焼いたり、揚げたりも、特に教えているわけではないが、
コツをつかんだら、できてしまう。
最近は、「パパ、朝ご飯どっちがいい?」などと言って、
卵焼きか目玉焼きぐらいなら、作れるようになった。
炊飯器の使い方も分かるようになったので、
低学年でこれぐらいできれば、
両親が具合悪くて動けなくても、自分の食事は何とかなる。
だいぶ心強い。
洗濯干したり、掃除機掛けたり、
あれもこれも「やりたい」と言っては覚えてしまうので、
一通りの家事はできるようになった。
たくましいことであるけど、
両親が忙しくて、子供にも苦労掛けてるのかなと、
ちょっと申し訳なくもなる。
そんな「ゆず」は、まだ低学年だからかもしれないけど、
「ちょっとパパ、元気ないから充電して」というと、
ギューッとハグしてくれる。
僕も一週間の最後の、金曜にはヘトヘトになっているので、
これだけでだいぶ気持ちが安らぐ。
どっちが親だか分からない。
逆に「もも」は、「パパ、おやすみ」と、
寝る前に必ずハグを求めてくる。
毎晩、「欧米か!」と定番のツッコミをしながら、
背中をバシバシ叩いて、床につかせる。
もう高学年とはいえ、まだまだそういう部分は幼い。
幼いと言えば、「もも」は火が怖い。
こう書くと動物みたいだけど、
実際ガスコンロで火をつけると、必要以上にビビッてしまい、
油が跳ねようもんなら大騒ぎだ。
やかんのお湯が沸騰しても、
火を消せるのは、だいたい「ゆず」の方。
「もも」は、「だれか~!」と騒いで、パニックになっている。
もしかしたら、「もも」はハイセンシティブな人なんだと思う。
だから最近は、本人ができないことに傷つかないように、
言葉を選んでいる。
「もも」は、暇があれば絵を描いている。
特に部屋の奥行とか、アングルの取り方とかは、
贔屓目に見なくても上手だと思う。
最近はキャラクターの絵ばかり描いているけど、
僕は「もも」が描く風景画のようなスケッチが、
とても好きだ。
感性で生きている「もも」と、行動力のある「ゆず」。
方向性は違うけど、2人とも、
自分の思ったことができる人生を生きてほしいと願う。