数年前に見たCMで、
バリバリ反抗期の不良娘が外出しようとすると、
父親が「どこ行くんだ?」と話し掛け、
「どけ、おやじ」とか言うCMがあった。
いやだ。あんな娘。あんな風に育たないようにしよう、と固く誓った。
きっと「どけ」とか言われた時点で、張り倒してしまいそうだと思った。
我が子が生まれて、
2人とも思春期まではいかないが、順調に成長期を過ごしている。
基本、毎日が会話の連続である。
当たり前だが、まだまだ黙っていられない年頃の2人の子供たち。
特にそれぞれの場所から帰ってきて、話を始めると、
もう止まらなくなる。
「もも」は基本、お喋りだが、
最近は友達関係や趣味に夢中で、
以前ほどベタベタしてくることはない。
それでも、話はしたいようで、何かといっては近くにいる。話してくる。
「ももは、一人暮らしがしたい」とか、
「今日の○○ちゃんの態度が許せなくて」とか、
「算数で100点取れた」とか、
「見て見て、こんな絵が描けた」とか。
他愛ないことを、たくさん話してくる。
一緒に外出すると、最初は普通に2人で歩いているのに、
さりげなーく、手を握ってきたりする。
そういうのが恥ずかしいのかと思っていたから意外だったけど、
まだまだ気持ちは小さいころと変わっていないらしい。
「ゆず」はまだ小さいこともあり、
リビングで椅子に座っている私の上に、堂々と座ってきたりする。
同じようにいろいろ話してくるが、話題は気分でどんどん変わっていく。
「うーんと、ゆずちゃんのお友達の、○○ちゃんと一緒に、遊んでたのね。そこに虫が飛んできたの。でね、ぎゃーって、2人で逃げたのね。パパは、滑り台好き?」
虫の話で来るかと思いきや、急に遊んでいた遊具の話になったりする。
自由な話の内容に、こっちは付いていくのがやっとであり、
なおかつ、その振り幅の大きさに唖然としたりする。
外出すれば堂々と手をつないでくるし、
座っていれば膝の上にちょこんと座ってくるし、
何かといえば「パパ、パパ」と寄ってくるのだから、
まだまだかわいいものです。
これから思春期を迎えて、親子の会話も減っていき、
ちょっと注意ただけで、「うるせぇ、おやじ」とか言い出したら、
張り倒すよりも先に、泣いてしまいそうな気がする。