教師の日常

日々の出来事の記録です。主に仕事、子供、病気のこと。

末っ子自由人

「ゆず」の話。

 

何しろ自分で平日起きない。

何度揺すっても起きやしない。

しつこく起こすと、逆ギレのように怒り出す。

地団駄踏む、床に倒れ込む、泣き喚く。

手に負えなくなり、私が「もう置いてく!寝てろ!」と荒ぶると、なぜかバンザイをする。

ん?降参か?

 

「だっこ。」

 

リビングまで私に運ばれていくのは毎日のこと。

 

「ゆず」は、昔から「いいとこ取り」をする。

例えば、朝ごはんはパパの膝の上で食べる。

買い物に行こうとすると、察して付いてきて、菓子を買う。

落葉掃きをしていると、チリトリを持つ。

こういうところは、「もも」の小さい時そっくりだが、最近では「ゆず」が同じことしてると気付いてきたみたいで、「もも」は遠くでチラ見している。

ホントはやりたいのかな…。

 

「ゆず」が、やっと言葉を喋れるようになってきたぐらいの時、「もも」がお菓子を運んで食べようとしたら、うっかりこぼした。

それを見た「ゆず」が発した一言。

「あーあ」

あまりのタイミングの良さに私と妻は大笑い。

「もも」は悔しそうに怒って拾って食べていた。

 

そんな「ゆず」は家事が好きだ。

やりたがりとお節介が同居した性格だから、台所に毎日入り込み、野菜を切るし、調味料は混ぜるし、炒め物もする。

もちろん大人はつきっきりである。

ある日、夕飯を作る時間になり、台所に立つと、

「ゆずも手伝う」とくる。

「もも」は宿題をやっている。

 

じゃあ、炒めるのと材料を切るのをやってもらおうか。

たん、、、たん、、、、、たん…。

うん、ゆっくりだけど確実に長ネギを刻んでいる。

これは味噌汁に入れて、肉と炒めるか…。

作り始めた直後に、「もも」が一言。

 

「パパ、宿題終わったから、クッ◯ルン、見ていい」

 

その時の「ゆず」の反応は早かった。

包丁こそ投げ出さなかったが、サッと手を洗い、テレビ前の一番いい所を陣取り、リモコンで国民を教育するテレビ局を付ける。

グッドタイミングで主題歌が流れる。

その後は、終わるまで2人は微動だにしない。

 

あのぉ。切り途中のネギは?炒めるのは?

…あ、はい、パパやりま〜す…。

 

そうして続きを終え、全て出来上がって、テーブルに並べた頃に帰ってきた妻に「ゆず」が一言。

 

「ママ、今日これ、ゆずが作ったんだよ(満面の笑み)」

 

…この子、ホントに…。

 

「もも」だけが「パパ、分かってるよ」という顔で、味噌汁を啜っていた。